2022年1月4日火曜日

コンクール、準備は1年でも2年でも

  反田恭平さんがショパン国際ピアノコンクールで2位になったことは昨年大きく報じられましたが、1位が誰だったのかはあまり話題にのぼりませんでした。

 調べればすぐに分かることですが、私はそこまでの興味もなく知らないままでした。

 ところが昨日暮れの音楽番組の録画を見ていたら、それがパリ生まれで中国系カナダ人のブルース・リウさんであることが分かりました。

 そのリウさんですが、ショパンコンクールを目指す人たちの通例とはちょっと違っていたようです。

 一般的に、コンクールを目指す人たちのほとんどがショパン一筋なのに、リウさんはそうでもなかったようなのです。

 リウさんが本格的にショパンに取り組み始めたのは、2年前。

 実は、第18回ショパンコンクールは2020年に行われるはずだったので、リウさんがショパンと取り組む時間はもともと1年しかなかったのです。それが、パンデミックのおかげでコンクールが1年延び、2年間練習することが出来たのです。練習期間が1年延びたおかげで優勝できたのかどうかは分かりませんが、それについて受賞後の談話として本人が語っています。

 それによると、1年間延びたことにはメリットとデメリットがあったそうです。

 メリットは、準備が充分出来たこと。しかしリウさんが言う準備とは曲の練習ばかりではなく、ショパンに関する書簡や書物を読み漁ってショパン像を熟成させる事も含まれていたようです。

 デメリットは、1年延びたことでショパン音楽のみずみずしさを保つことが難しかった事、その為に敢えて他の作曲家の作品を練習したりしたそうです。

 コメントを聞くかぎり、リウさんにとっては1年でも2年でもどちらでもよく、それなりの対策を講じたのでしょう。

 ところで、受賞した二人を聴き比べたら(番組では反田さんの演奏も放映されました)優劣は本当にコンテストの結果どうりなのか、どうしてもそこに興味がいきますが、それは私のような素人にはとても判別できるものではありませんでした。

 ただ、音質がかなり違うことだけは分かりました。

 あとは好みの問題ですが、私はどちらかと云えばリウ派かな。

 ちなみに、リウさんは2016年に仙台国際音楽コンクールに出場して4位だったそうです。

 また、リウさんはショパンコンクール後ほどなく来日してその演奏ぶりをたっぷり披露してくれました。



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