円地文子さんの「南の肌」と云う小説に「島原の子守歌」のことが何度か出てきます。
佐世保出身の私は、この歌をよく知っていますが、島原出身の宮崎康平が作詞・作曲した歌です。
小説では、3番の歌詞、姉しゃんな どけ行たろかい 姉しゃんな どけ行たろかい 青煙突のバッタンフールが所々で使われています。
謡われているのは、19世紀後半頃、金で買われて東アジアや東南アジアへ連れていかれ娼婦となった島原半島や天草諸島の女たち・からゆきさんの話です。
バッタンフールと云うのは、外国向けの貨物船の総称。女たちはそんな船で先ず香港へ連れていかれ、香港から各地へ送られたそうです。
物悲しい島原の子守歌を背景にした小説「南の肌」は、そんな境遇でもたくましく生き抜いた女性も出てきてなかなか面白いものでした。
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