銭形平次傑作選と云う3冊本を借りてきましたが、読み始めたら止まらず一気に読み終えてしまいました。
ただ、シャーロッキアンではありませんが、読めば読むほど平次や八五郎に親しむと同時に色々突っ込んで考えてみたくなります。
そのひとつ、平次はどうやって生計を立てていたのでしょうか?
岡っ引きと云うのは、同心から私的(公的な刑吏ではない)に不定期に(十手は常時所持せず事件のある時だけ手渡される)依頼を受けた者で報酬も小遣い程度の金をもらうだけです。しかも平次は下っぴきの八五郎の面倒も見なくてはならなかったはずで、どんなやり繰りをしていたのでしょうか?
ちなみに他の小説などに出てくる岡っ引きはたいてい女房に商売をさせて生計を立てています。
と理屈を言うのは、野暮。
作者の野村胡堂は何を措いても文献から入る気質だったそうで、そんなことは百も承知だったでしょう。
世知辛い事は度外視して平次の世界を描いてみせたのでしょう。そう云えば平次はどこか霞を喰って生きているいるような雰囲気があります。
平次の人柄はこんな台詞に現れています。
八五郎が「親分は相変らず弱気だ」と云うと・・
「それでいいのさ、気が強くて考えが浅かった日にゃ、岡っ引きは罪ばかり作るよ」
平次の捕り物は罪を憎んで人を憎まず、式のやり方のようです。
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