前にご紹介した中野孝次さんの「わたしの唐詩選」を読んでいたら、孟浩然のこんな詩が出てきました。
「夏日、南亭で辛大を懐う」と云う詩
中野さんの訳の最初の部分はこうです。
「山の夕映えはまたたく間に西に沈み、月がようやく上って池に美しく映りだした。わたしは冠をとりまげも解き放って、心身ともに楽にし、夕方の涼風にあたる。~」
私は、最初の2行(山光忽西落 池月漸東上)を読んで、蕪村のあの句を思い起こしました。「菜の花や月は東に日は西に」
そしてひょっとしたら、蕪村の句は孟浩然の詩を典拠としているのではないか、と思いつきました。
そこで、蕪村と漢詩、と云う言葉で検索したら、北海道教育大学の後藤秋正と云う方の論文が出てきました。
それによると、おそらく蕪村の句の典拠は、陶淵明の「白日淪西阿 素月出東嶺―白日、西の阿(くま)に淪(しずみ) 素月 東の嶺に出づ」が第一だろうと書いています。
また、李白の「日西月復東」も挙げています。
さらに最後の方ですが、上記の孟浩然の詩も挙げてあって、私もちょっと意を強くしました。
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