ほんのたまたまですが、折々の歌の一冊をふと手に取る気になりました。
折々の歌は好きで、全巻揃えてすぐ手の届く棚に並べてはいるのですが、近頃はとんと見ることもなかったのです。
手にしたのは第六巻。
冬の部をぱらぱらと読んでいると、こんな句が出てきました。
強情を以て今年を終わるなり 藤田湘子
何か、気になる句です。
家人はいつも私のことを強情だ、強情だと云うので、身につまされたのかもしれません。
水原秋櫻子に師事した藤田湘子さんは、大正15(昭和元)年生まれで平成17年没。
他にこんな句もあります。
天山の夕空も見ず鷹老いぬ
筍や雨粒ひとつふたつ百
湯豆腐や死後にほめられようと思ふ
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