2020年10月31日土曜日

強情の句

 ほんのたまたまですが、折々の歌の一冊をふと手に取る気になりました。

 折々の歌は好きで、全巻揃えてすぐ手の届く棚に並べてはいるのですが、近頃はとんと見ることもなかったのです。

 手にしたのは第六巻。

 冬の部をぱらぱらと読んでいると、こんな句が出てきました。

  強情を以て今年を終わるなり   藤田湘子 

 何か、気になる句です。

 家人はいつも私のことを強情だ、強情だと云うので、身につまされたのかもしれません。

 水原秋櫻子に師事した藤田湘子さんは、大正15(昭和元)年生まれで平成17年没。

 他にこんな句もあります。

 天山の夕空も見ず鷹老いぬ

 筍や雨粒ひとつふたつ百

 湯豆腐や死後にほめられようと思ふ

  

            

 

 

 

  

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