こんな日は、ゆっくり本でも読んで過ごしたいところですが、3月はあれこれと忙しくあまりのんびりはしていられません。
ですから、今図書館から借りている気に入っている本もなかなかじっくり読めないのが困りものです。
その本と云うのは「漢詩百人一首」と云う本で、良く知られた漢詩が並んでいます。
例えば、杜甫の「登高」
風急天高猿嘯哀 風急に天高くして猿嘯哀(かな)し
渚清沙白鳥飛廻 渚きよく沙(すな)白くして鳥飛び廻る
無辺落木蕭蕭下 無辺の落木はしょうしょうとして下り
不尽長江滾滾来 不尽の長江は滾滾(こんこん)として来たる
万里悲秋常作客 万里悲秋常に客となり
百年多病独登台 百年多病ひとり台に登る
艱難苦恨繁霜鬢 艱難はなはだ恨む繁霜の鬢
潦倒新停獨酒杯 ろうとう新たにとどむ獨酒の杯
また、李白の「早発白帝城」
朝辞白帝彩雲間 あしたに辞す白帝彩雲の間
千里江陵一日還 千里の江陵一日にしてかえる
両岸猿声啼不住 両岸の猿声啼いてやまざるに
軽舟巳過万重山 軽舟すでに過ぐ万重(ばんちょう)の山
まだまだ、いっぱいありますが、私の好きな杜牧の「江南春」が載っていないのが残念です。
「江南春」 杜牧
千里鶯啼緑映紅 千里鶯啼いて緑紅に映ず
水村山郭酒旗風 水村山郭酒旗の風
南朝四百八十寺 南朝四百八十(しひゃくはっしん)寺
多少楼台煙雨中 多少の楼台煙雨の中
詩中の「水村山郭酒旗風」と云う句が、村里の広がりと風になびく旗が想像されて、好きです。
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