一年程続いた新聞小説・木内昇作「かたばみ」が昨日で終わりましたが、なかなか面白い小説で毎朝楽しみにしていました。
主人公の悌子は大柄でやり投げの選手だったが怪我で引退、国民学校の代用教師となる。
しかし戦時教育には違和感を覚えときどき突飛な行動に出て訓戒を受けるが、そんな悌子を先輩教師の吉川がいつもかばってくれる。
空襲の避難中、生徒の賢治が亡くなり悌子は自らを責め続ける。
幼馴染の清一は花形の野球選手で悌子はいずれは結婚するものと思っていたが、清一は他の女性とあっさり結婚してしまう。
悌子が下宿していた食堂の女主の兄中津川権蔵は自分の生きる道が見つからず運送の手伝いをしていたが、あるきっかけでラジオ放送の番組を手掛けることになり、これが案外性に合った。
権蔵の母の薦めにより、悌子と権蔵は一緒になるが二人はなかなか相性が良かった。
悌子の幼馴染清一は戦死し、清一の実家では生まれた子供を養子に出して改めて婿を取ることに決め、悌子にその子を育ててくれるよう頼む。理不尽な考えに反発する気持ちから悌子は申し出を引き受けた。
権蔵と悌子はその子・清太を慈しんで育て、正義感あふれる子供に育った清太は野球に熱中した。
ところがあることから清太は権蔵と悌子の実の子でないことを知り、悩む。
元来運動音痴の権蔵は一念発起して悌子の特訓を受けて、清太にキャッチボールを挑む。
キャッチボールなど出来なかった権蔵の努力は、ボールのやり取りをするうち清太にも通じ、清太の心もようやく一点の曇りもなく晴れた。
これがあらすじですが、終わってしまってちょっと淋しい感じです。
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