さて、講演ですが、人類の狩猟史ともいうべき話でした。
・大型草食獣の狩猟はおよそ3万年前から1万2千年前に最盛期だった
・旧石器時代末から中石器時代の遺跡から出土した動物遺物はアカシカが多い(アカシカが一番多く食べられていた)
・必要な栄養量を摂取するための労働は、狩猟採集民では1日3時間と少ない
・脳はたくさんのエネルギーを必要とするので脳の大きな人間はチンパンジーなどと比べても多くのカロリーを必要とする(肉食が適)
・1万3千年前から温暖化が始まり、狩猟採集民人口の増加もあって生態系が破綻した
・1万2千年前(新石器時代)からは、草原が崩壊し常緑樹やブナの森林が出現した⇒人は何でも食べるようになって(食料が多様化)、漁労、耕作、家畜飼養が起こり、村落が出現した
・家畜化の時期
イヌ―2万~1万年前、ヤギ・ヒツジ―9千~1万年前、ウシ・ブタ―6千~8千年前、ウマ・ニワトリ―約5千年前
・日本人は農耕民族で肉食民族ではない、宗教的に肉食が禁じられた、政治的に肉食・殺生が禁じられた、秀吉の刀狩り以来、民間には武器が無かった―などと云われるが、実はそうではなかった
・エゾシカは気候によってその数が変動する(大雪の時は減少)
・全道でのエゾシカの適性数は20万頭程度か
・エゾシカ肉の流通には処理・衛生管理の徹底が必要
・流通市場の確保や肉以外の部位の活用化も必要
以上のような話で、大変面白いものでした。
お昼には、シカ肉での昼食。
その他、鹿皮太鼓の演奏や学生さんの研究発表、パネルディスカッションなどがあり、シカ肉消費の機運が大いに盛り上がりました。
0 件のコメント:
コメントを投稿