午前は青い空が見えていたのに午後からは曇ってしまい陰気なまま夜になりました。
今年もあと1日です。
そんな中、先日から読んでいたカズオ・イシグロの「日の名残り」を読み終わりました。
敬愛するイギリス貴族に仕えた執事のスティーブンスは執事の本分は品格と考えている。
彼は、立派な執事だった父を目指すが、その父は年を取り衰えた姿を露呈する。
仕えたイギリス貴族もナチスへの協力を問われて没落。その館はアメリカ人の所有となる。
そのアメリカ人の好意で車を借りたスティーブンスは、休暇の旅に出て、これまでの事を振り返る。そして、長年一緒に働いた女中頭のケントンとも会う。
どうやらケントンはずっとスティーブンスを慕っていたようなのにスティーブンスは気が付かない。
ケントンが不幸な境遇にいるなら館に呼び戻そうとも考えていたスティーブンスはケントンに会い、すでにケントンにはケントンの人生があることを悟る。
旅の終わりに、彼は、これからは雇い主のアメリカ人の気質に合わせてジョークの習得を決意する。
こんな内容ですが、品格にこだわるスティーブンスが結局は、真実に触れることのない生涯を過ごしたことが垣間見えるのが、悲しいところです。
読むうちに、続きが気になって、ついつい読み進んでしまう、面白い小説でした。
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