2024年8月25日日曜日

推敲

  中唐の漢詩人・賈島は選ぶ言葉に悩んでいました。

 鳥宿池辺樹 鳥は宿る池辺の樹

 に合わす句として、僧推月下門 僧は推す月下の門

 を考えたのですが、僧敲月下門 僧は敲く月下の門

 の方がよいのではと、迷っていました。

 推なら、僧がそっと門を推して入っていく、ことになり、敲なら、僧がほとほとと門を敲くことになります。

 迷いながら街を歩いていると、大詩人で長官の韓愈の行列にぶつかりました。

 韓愈は、「敲」が良いと判定しました。

 賈島はその後、韓愈の門下となり進士の試験にも合格した。

 というのが、文章の字句を練り直す「推敲」という言葉の由来だそうです。

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