黒澤明監督の映画「生きる」のことは知ってはいましたが、観たことはありませんでした。
それがNHKテレビで放映されたので、早速観てみました。
映像や俳優の表情などは、なるほど黒澤監督らしいものでしたが、正直言って背負い投げをくらわされた印象でした。
前半の3分の2ほどは、ガンで余命いくばくもないことを知った主人公(志村喬)がそれを忘れようと歓楽を尽くす場面が続くので、死を知った人間の心情を描く映画かと思ったら、後半3分の1で市役所の実態を衝く社会派映画になってしまいます。
その社会派の視点も、死んだ主人公の葬式では、何もしない職員ではいけないと誓う職員たちもいざ現実になると結局何もしないというものでしたが、ちょっとありきたりでもの足りないものでした。
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