「古今集を読む」の講座であの有名な歌が出てきました。
月やあらぬ春や昔の春ならぬ 我身ひとつはもとの身にして
在原業平
大変有名な歌ですが、案外解釈は難しく色々な説があるようです。
まず問われるのが、ふたつの「や」は疑問なのか、反語なのか?
疑問だと
月は昔の月ではないのだろうか?春は昔の春ではないのだろうか?
となり、一般的にはそのように解釈されています。
反語だと
月は昔の月ではないのか、いやそうではない、昔の月だ。春は昔の春ではないのか、いやそうではない、と云うことになっておかしなことになってしまいます。
いずれも間違いで、「や」がふたつ続く時は、二者択一で、変わってしまったのは月なのか、春なのか?
と解釈すべきだそうです。
これは工藤重矩と云う方の説(実はすでに明治期に唱えられていた)で、他の歌の例からみても「や」の反復の場合は二者択一で解釈すべきと云うものだそうです。
変わってしまったのは月なのだろうか、それとも春なのだろうか、自分だけは変わっていないのに。
ちょっと学会に出たような感じでいつもより一層面白みが増しました。
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