2017年1月28日土曜日

厚田の化石から地球外生物が見える?

 厚田の古生物の講座を聞いてきました。

 910万年前~760万年前の地層である厚田の望来層では2枚貝などの化石が採れますが、この貝化石は化学合成生物群集と呼ばれる太陽を必要としない生物だそうです。
 


 海底火山帯で熱水が吹き出す熱水噴出孔には、化学合成バクテリアを利用したり体内に共生させたりして、メタンや硫化水素を使った化学反応から栄養を得る熱水噴出孔生物群集と云う生物(チューブワーム、二枚貝)が住む。

 また、冷水が吹き出す冷湧水帯には、冷湧水帯生物群集が住む。

 熱水噴出孔生物群集と冷湧水帯生物群集は化学合成生物群集と云うそうです。

 一般の生物は植物が太陽エネルギーを利用して作る栄養に依存していますが、化学合成生物群集はそれとはまったく違う体系で栄養を得る生物で、高温、有毒物質に耐えることができる。

 実は、土星の衛星「エンケラドゥス」には水があることが分かっていたが、最近木星の衛星「エウロパ」にも水がありそうだと云われるようになったのだそうです。

 これらの衛星は土星や木星からの潮汐力(偏った重力により生じる力)をうけ伸び縮みするので摩擦熱によりマグマが発生する。

 こう云う状態で水があれば地球の熱水噴出孔や冷湧水帯と同じ条件なので化学合成生物群集の存在も考えられるのだそうです。

 厚田の貝化石は時々拾いに行きますが、今度行った時は地球外生物に思いを馳せることが出来そうです。

 

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