折々の歌

　ソファの横の小棚に大岡信の折々の歌（10巻プラス新折々の歌9巻）を並べているのですが、最近は手に取ったこともありませんでした。

それが、たまたま手に取って拾い読みしたら、やはり面白い！

季節柄、秋の部を読んだのですが、こんな歌が並んでいました。

四五人に月落ちかかるおどり哉　　　
　　　　　　　　　　　与謝　蕪村

あかがねの色になりたるはげあたまかくの如くに生きのこりけり
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　斎藤　茂吉

（戦争賛歌を歌った茂吉は、戦後苦しい立場に立たされたようです）

秋のきて身にしむ風のふく頃はあやしきほどに人ぞ恋しき
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　月花門院

岸釣に小さんの俥とほりけり
　　　　　　　　　久保田万太郎

折々の歌にふと手が伸びたのも、たまたま今日は予定がなかったせいですが、好い時間でした。